故安倍元首相の国葬が予定され、海外から多くの要人が参列することが予想されてます。
となると大規模な弔問外交の展開が想定され、そこで気になるのがまず警備体制とその費用。
費用的には予想として35億円という数字も出てますが、実際に来日する要人は誰か、トランプ前大統領やプーチン大統領はどうなるなどポイントをまとめてみました。
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警備体制と警備費用
まず安倍元首相の国葬の警備体制とその費用ですが、外務省は海外からの出席者対応として「故安倍晋三国葬儀準備事務局」を省内に設置することが7月22日に発表されてます。
ここが全体のコントロールセンターになりそうですが、ではその警備費用について、35億円にもなるという報道があり、その理由を見ると、
- 昭和天皇の「大喪の礼」(1989年)では警備費用に24億円かかった
- 今上天皇の「即位礼正殿の儀」(2019年)では警備関係費用として28億5000万円かかった
安倍元首相の国葬では、その元が銃撃事件でもあり、過去に比べてそれ以上に警戒しないといけない状況でもあり、人員を増やすと考えると35億円ぐらいになってもおかしくない、という予想がされてます。
参考)菊の花だけで2千万円!安倍元首相の国葬に消える血税約37億円
実際警備体制としては、JIJI.comの記事(2022年8月9日)によると故小渕恵三元首相の合同葬はクリントン米大統領(当時)など150か国以上の国と地域から要人が参列し、この時警視庁は1万人を動員したとか。
警察幹部によれば、今回の安倍元首相の国葬はその規模を上回るとの予想もされていて、だから昭和天皇の大喪の礼、今上天皇の即位礼正殿の儀と同等以上になる、それが35億円ぐらいでは、との予想になりますね。
でも過去の合同葬などの費用は1億円から2億といった報道を最近見かけますが、警備費用はその中には含まれておらず、あくまで葬儀自体にかかった費用が1億円から2億円であって、その他にも警備費用などいろいろかかっている、ということになるでしょうか。
警備費用だけで35億円かかる、と言われてしまうと、そのギャップにびっくりしちゃいますよね。
費用の内訳が分かりませんが、警察官の人件費も含めていたとしたら、それはちょっと違うでしょ、ということにもなりそうですし、なにか国葬反対世論を作るためのミスリード的な報道になっている...のかな?
ちなみに日本の2022年度予算(国の一般会計歳出)は、当初過去最大の約107兆円。
この予算をざっくり100兆円として100万円に換算すると、一般の感覚からして巨額と思える35億円も35円。国家予算規模から見ると1億とか2億も1円、2円の世界です。
なにか誤差みたいな感じにもなりますが、こうした報道をするとこれもまたミスリードに見える...のかな?
海外からの要人一覧
安倍元首相の国葬儀では、海外からの要人も多く参列することが予想されてますが、まだ確定までには時間がかかるようです。
仮に確定したとしても、警護、セキュリティの観点から実際に確定情報が出るのも国葬が行われる日の直前ぐらいだと思いますし(それも政府からの公式発表ではなく報道機関の調査結果だと思いますし)、正しい情報は政府より葬儀の後日に発表されるのでしょう。
現状参列が「検討されている」と報道されている方々、こうした方が来日されるだろうと「予想されている」方々は以下。
- 米国:ハリス副大統領(8月14日報道)
- 米国:オバマ元大統領(8月9日報道)
トランプ前大統領は見送り(8月31日報道) - フランス:サルコジ元大統領やオランド前大統領
(マクロン大統領は見送り 8月29日報道) - ドイツ:ウルフ元大統領
メルケル前首相(見送りの見通し9月2日報道) - カナダ:トルドー首相(8月29日報道)
- インド:ナレンドラ・モディ首相(8月24日報道)
- 中国:孫春蘭副首相?
- ウクライナ:シュミハリ首相(8月29日報道)
- 国際オリンピック委員会:バッハ会長(8月12日報道)
アメリカはバイデン大統領は日程の調整がつかず、ハリス副大統領が参列予定と報道されてます。



トランプ前大統領については出席となる場合「現政権の一行と鉢合わせさせてはならない」と外務省幹部が神経をとがらせるみたいな報道もありますね。
注目されている1つに中国がありますが、中国は2000年に行われた小渕元総理の合同葬で当時の副首相が来日してます。2021年に行われた東京五輪2020開会式でも副首相の出席を予定していたことから(でも実際には事情により取りやめ)孫春蘭(そん しゅんらん)副首相が参列するかもしれません。
そうなると怖い感じがするのが現在中国と非常に高い緊張関係にある台湾。
安倍元首相のお通夜では台湾から頼清徳副総統が来日してますが(あくまで私人としてですが)、かりに中国は副首相が参列、私人であっても台湾から要人が参列するとなると、こちらも鉢合わせになって外交上のトラブルに発展しないよう、凄く神経を使いそう。
日本政府はロシアにも国葬の開催を通知していて、プーチン大統領の来日も以前から話題でしたが7月25日の報道では、出席しない、ともなってます。プーチン大統領が出席しないにしても代わりにロシアの代表団が参列するのかはまだ決まってないようです。
鉢合わせ、ということで直接関連するのがゼレンスキー大統領。
2022年8月6日には秘密警察と検察トップを突然解任したと報道され、混乱継続中のウクライナ。ゼレンスキー大統領は以前オンラインですが2022年3月国会でロシアに対する非難演説をしていることから、弔問外交という視点で見れば実現するしないは置いといて、本人は参列したいと考えている可能性は非常に高そうですが、報道ではシュミハリ首相で調整中のようですね。
個人的にはイギリスからはジョンソン(前)首相が参列するかもと予想しますがどうでしょうか。
ジョンソン首相とは先日も電話会談を行いましたが、普遍的価値を共有するパートナーである日英両国が、これまでになく強固な連携のもとに、自由貿易を推進していく。新しい時代の経済ルールを、世界へと広げていく。その力強いメッセージを発信するものです。 pic.twitter.com/40GEUz2ubn
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) September 11, 2020
Incredibly sad news about Shinzo Abe.
— Boris Johnson (@BorisJohnson) July 8, 2022
His global leadership through unchartered times will be remembered by many. My thoughts are with his family, friends and the Japanese people.
The UK stands with you at this dark and sad time.
ちなみに2000年の小渕元総理の合同葬では、海外からの参列者は計377人(153か国、3地域、22国際機関)。
詳しくは外務省の特使派遣状況で一覧で見れますが、主な方々は以下のようになります。(すべて当時)
<G7>
- 米国:クリントン大統領
- 英国:バトル外務閣外相
- ドイツ:ヴィチョレック・ツォイル経済協力相
- フランス:ジュッペ前首相
- イタリア:ダレーマ前首相
- カナダ:ペティグルー国際貿易相
<近隣国>
- 中国:銭其シン副首相
- 韓国:金大中大統領
- ロシア:フリステンコ副首相
- インド:フェルナンデス国防相
- オーストラリア:ハワード首相
トランプ前大統領、プーチン大統領、中国と台湾の出席者、果たしてどうなるのかが注目されますが、とにかく無事終わってほしいものです。
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