裁判所から郵送で訴訟通告が送られてくる場合があるようですが、本物ではなく偽物!ということがあるので要注意。(裁判所の名をかたり架空請求業者が送ってくる場合がある)
以下ツイートでも、東京簡易裁判所から郵送で「訴訟着手発布通知」と、見ただけでびっくりするような内容が送られてきたようです。
本日このような書面が届きましたが、本物の東京簡易裁判所に問合せ、偽物であることは確認済みです。届いた皆様、放置を! pic.twitter.com/xmTE5j6hBj
— 祭花’ (@sighcat) December 3, 2019
この方の場合は、裁判所に問い合わせをして、本物ではない(つまり偽物)の確認をとったようで、一安心、というパターン。
明らかに偽物の場合には「放置する」となりそうですが、放置した場合ではトラブルになることもあるようで、ここでは、
- 裁判所からの郵送が本物か偽物かの見分けるポイント
- その対応法
を少し見ておきましょう。
裁判所からは特別送達
まず裁判所から郵便が送られてきた場合、本物か偽物かを見分けるポイントから。
裁判所から郵便で通知される場合、送付先の相手が確実に受け取ったかどうかが分かる「特別送達」というものが使われ、具体的には以下のような感じの封筒になるようです。
国民生活センターの情報を見れば、この「特別送達」には以下の特徴があり、まずこれらを確認するのが良さそうです。
- 封筒に「特別送達」と記載されている
- 宛名の人に、郵便配達担当者が直接手渡すのが原則。
(つまり郵便受けに投げ込まれることはない) - 受け取った人の署名や押印を求められる
- 「事件番号」・「事件名」が記載されている
これらを確認することで、本当に裁判所から送られたものかどうか、本物か偽物かの判別ができそうですね。(今回のツイートの例では、単に郵便ポストに入っていた、という感じになるでしょうか)
ツイートにある画像を見れば以下の封筒がありますが、

「重要」とか「進展」と押印が、何か重要なものだよ、という雰囲気をだしてますが、これ、普通郵便のようですね。この画像を見る限り「特別送達」の文字はない。
またよく見ると、消印が消印が切手にかかってない(切手を無効化する、といった消印の役割が果たされてない)、というのと、「牛込」の文字が見えますが、新宿の牛込郵便局から配送された、ということになるでしょうか。
東京簡易裁判所の住所は「千代田区霞が関」と正しいようですが、この郵便を扱った郵便局が「牛込」となっていて何かちぐはぐな感じです。
電話での確認は要注意
上で見たポイントで、この郵送の通知は本物ではなく偽物のようだ、と思っても、本当に大丈夫かなと、やっぱり心配になるものです。そこで電話で確認してみよう!ということになりますが、この電話が要注意。
ツイートの画像にも、以下のように電話番号が書かれてますが、

この電話番号にかけると、詐欺の場合では「どこどこの口座にお金を振り込め」など、うまく誘導されてしまう、ということにもなり得ます。
電話で確認する場合、
- 郵送の書類の中の電話番号にはかけない
- 裁判所のホームページで正しい電話番号を調べ、その電話番号に問い合わせをする
というのが大事なポイントになりそうです。
ツイートした方も「本物の東京簡易裁判所に問合せ」と”本物”とあることから、この画像にある電話番号にはかけず、東京簡易裁判所の番号を調べてそちらで問い合わせをした、ということになるでしょうか。
ちなみに参考までにですが、以下のサイトには、上の画像の電話番号は架空請求の番号と紹介されてます。
東京簡易裁判所 民事第9室 0345304190 / 03-4530-4190 『架空請求』 | 詐欺被害ナビ
今回のように実際に郵便物として届く場合や、得体のしれないメール、ラインのメッセージが来た場合、そこに記載された電話番号でネットで検索してみる、というのは、詐欺かどうかを判断するために有効な場合が多いです。
すでに架空請求などで利用されている電話番号であれば、今ではネットで情報が得られることが多く、まず電話番号で検索してみる、というのが詐欺対策には強力な手段になるでしょう。
放置で良いのか?
裁判所からの郵送があり、郵便物が「特別送達」ではない、また、実際「本物の裁判所」に問い合わせした結果、偽物とわかれば、国民生活センターの情報を見ても、放置すればよい、ということになりそうです。
ただ、身に覚えのない訴訟通告であったとしても、裁判所からの通知が本物とわかれば、放置はできないものにもなります。
こちらも 国民生活センターの情報を確認すると分かりますが、裁判所からの通告が本物であれば、たとえ身に覚えのないものでも「督促異議の申立て」や「答弁書」を提出する必要があるとのこと。
その理由としては以下の通り。
- 通知段階ではまだ判断されていない
- 裁判所が通知を出す場合、その段階では内容が正しいのかどうかは裁判所としては判断されていない
- 裁判で主張が行われる
- 内容が正しいかどうかは、裁判にて訴訟を起こした側が主張する
- 欠席裁判にもなり得る
- 裁判所の通知が本物の場合、無視をすると欠席裁判にもつながり、架空請求がそのまま認められてしまう可能性も出てきてしまう
身に覚えが全くない、という場合でも、裁判所からの通知が本物とわかれば、「督促異議の申立て」や「答弁書」の提出など、必ずその対処を行う必要がある、ということになりそうです。
国民生活センターと同様に、裁判所でも以下のページで注意喚起を行ってます。
この裁判所による注意喚起ページでも、
- 支払督促の申立て段階では,架空請求であるかどうかは裁判所には分からない
- 一定の要件を満たしていれば,提出された訴状等を相手方に郵便で送付する
- そして相手方からの反論を待つことになる
- 身に覚えがないとしてそのまま放置してしまうと,架空の請求について判決などがなされ,強制執行を受けるようなことがある
とあることから要注意です。
今回のまとめ
架空請求業者は、あの手この手を使って来ますが、今回は裁判所という国家権力ともいえる権威をかたったもの。
その通知が本物かどうかは、
- 封筒などの通知内容(特別送達かどうか等)
- 実際に「本物の裁判所」の電話番号を調べて確認する
ということがまずポイント。
その他何か不安な点があれば、
- 弁護士や消費生活センターなどにまず相談してみる
というのが良さそうですね。
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