安倍元首相の国葬の喪主や宗派、香典の金額について調べてみた

安倍晋三元首相の突然の悲報が日本全国を駆け巡り、政府は9月27日(火)に国葬を執り行うことを閣議決定したようです。

国葬の名称は「故安倍晋三国葬儀」。場所は東京の日本武道館。

国葬というのは滅多に行われるものではないこともあり、普通の葬儀と照らし合わせて、喪主っているの?いるとしたら誰?とか、葬儀にはつきものの宗派や香典はどうなる、といったところが知りたくて調べてみました。

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喪主は誰?そもそも喪主っているの?

まず喪主ですが、喪主とはその葬儀の代表者。
一般に行われる葬儀では、葬儀全体の挨拶や僧侶などの対応など、葬儀の要となる場面を取り仕切る方になりますね。

家庭における葬儀では、故人の遺言や配偶者、長男長女などが喪主を務めることが多いと思いますが、国葬でも家庭の葬儀でも喪主はその葬儀の代表者、主催者、ということになるでしょう。

安倍元首相の国葬では、葬儀の代表者、主催者という意味になると思いますが岸田首相が「葬儀委員長」になると報じられています。

参照:
安倍元首相「国葬」9月27日実施を閣議決定

表現の仕方は異なりますが「葬儀委員長」ということは、国葬を行う上での責任者、代表者ということになると思いますので、岸田首相がこの国葬における喪主の位置づけということになりそうです。

葬儀の宗派は何?

国葬となると日本の国教で葬儀が行われるのかな?え?日本の国教は何?神道?仏教?などなど、つい考えてしまいそうですが、日本では憲法第20条で「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」と定められ、国が「この宗教を信仰する」と決めた国教なるものはありません。

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

今回の安倍元首相の国葬では、7月22日の共同通信の報道によると
国葬は無宗教で、外国要人も参列」と松野官房長官が発表されたようです。

考えてみれば想像できそうですが、国葬をある1つの宗教で執り行うとなると、いろいろ問題が出てきそうですよね。

ちなみに気になって海外の国葬の場合はどうだろうと、アメリカの例を調べてみたところ、アメリカではまず国葬の対象は「大統領経験者、軍人」など。

あのマッカーサー(GHQ:連合国軍最高司令官)も84歳でお亡くなりになったようですが国葬が行われてます。場所は聖ポール教会。
WIKI:ダグラス・マッカーサーより)

大統領経験者で良く知られている国葬では、ロナルドレーガン元大統領の国葬がありますが、執り行われた場所はワシントン大聖堂。
WIKI:ロナルド・レーガンの死と国葬より)

アメリカの国教ってキリスト教だよね?だから国葬では教会が使われるのかな、なんて思ったりしますが、調べてみるとアメリカも日本と同じで信教の自由、政教分離の国。アメリカ合衆国憲法(の修正第1条というもの)で「国教の樹立の禁止、宗教の自由を妨げる法律制定の禁止」がなされてます。

調べるまで知りませんでしたが、アメリカでは確かに国葬を執り行う場所として大聖堂とかで行う場合もあるけど、国教がキリスト教だからというわけではなく(国教はそもそもない)、墓地があるとか場所が広い、葬儀での一般的な場所として認識されているから教会で行うケースがある、ということになるでしょうか。

香典の金額は?

国葬といえどお葬式はお葬式。
お葬式と言えば香典がつきものですが、では安倍元首相の国葬で、香典なるものはあるのでしょうか。

お葬式に参列する時、あまり深く考えずに香典を持って行かなくっちゃ、とか金額はどれぐらい?など焦ったりすることありますが、そもそも香典とは何かを改めて調べてみると、以下のような歴史をたどり今ある形に至っているようです。

古くは、葬儀の際に弔問客がお香を持参して供養したり、葬儀を行う家は弔問客のために食事をふるまい親族はそれを助けるために食料を提供したり、ということが行われていたようで、それが時代を経て今では葬儀を行うのにも結構は費用がかかるため、今のような一定の金額を包む香典(または香料)という形になっているようです。

一言で言えば、葬儀を出すのもお金がかかるので、それを助けよう(ということで香典を渡す)、という意味合いになりますね。

安倍元首相の国葬の場合、全額国費で賄われる、一般予備費の使用を想定しているが詳細は今後検討、という報道(7月22日)があり、つまり、国の支出で賄うということになるでしょうか。(ちなみに一般予備費は2022年5月17日の報道からすると4000億円計上されているようです)

国費とは、国庫から支出するお金のこと。
国庫とはイコール税金ではなく国債とかも含まれているようですね。

いずれにしても日本人から見てその国家を家として見ると、自分の家がその費用を負担してるんだから、国葬に参加する場合には香典というものは必要ない、ということになるのかも。

では、海外からの弔問客(政治家など)はどうかと言えば、そもそもこの「香典」というものは海外のお葬式にはないところが多いようです。

三越伊勢丹の「外国の方の葬儀に参列する際の基本マナー」を見てみると、海外においては香典の風習はない、と説明があり、本当にすべての国がそうなのかまでは分かりませんが、アメリカの例では花を贈るのが基本のようです。

日本は円安が進んでいると言ってもIMF(国際通貨基金)のデータを見ればGDP世界第三位の経済大国。海外からの弔問客では、日本は大変だから何がしかの香典を用意しようかしら、という発想自体がそもそもないのかもしれません。

今回のまとめ

  • 喪主という人はいなく、葬儀委員長ということで岸田首相
  • 国葬は無宗教で行う、と松野官房長官から発表があった
  • 香典の金額は、というより、そもそも香典は不要に見える

安倍元首相の国葬に関しては、賛否両論があるようですが、海外からの要人も多く来ることが予想されていることから、何事もなく無事終わってほしいと願うばかりです。

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