桜を見る会の時間検証43件は49件が正しい?謎6件どこ行った?




国会審議で長らく問題になっている「桜を見る会」。

この桜を見る会に審議時間がとられて重要な審議を妨害している、など、桜を見る会自体というよりは、国会運営に支障が出ている、といった問題がありました。

そこで出てきたのが以下の記事。

桜を見る会問題、国会審議に占める割合はわずか。長引かせたのは誠実な回答から逃げ、嘘をつく政権与党

この記事の中では、桜を見る会の審議時間を以下のようにまとめてます。

  • 合計審議時間(第200回臨時国会:10月4日~12月9日)
    • 合計:535時間41分
    • 衆議院:296時間41分、参議院の239時間(00分)
  • 桜を見る会の審議件数
    • 衆参両院合わせて43件
    • 「国会会議録検索システム」で期間を10月4日~12月9日、キーワードを「桜を見る会」にセットして検索した結果
  • 桜を見る会の実際の審議時間
    • 15時間12分(912分)
    • インターネット審議中継で視聴し、桜を見る会に割かれた時間を1つ1つ計測

なるほど、「国会会議録検索システム」というものがあり、それで「桜を見る会」を検索すれば分かるんですね。で実際に調べてみると何か違う。

あれ?結果が違う

国会会議録検索システムはこちらをクリック。

で実際に同じように調べてみた。

まず国会会議録検索システムのサイトを見ると、「簡単検索」と「詳細検索」がある。

簡単検索でも詳細検索でも出て来る件数は同じでしたが、以下のような感じで検索してみました。

一番上の「開会日付」を「令和1年10月4日」から「令和1年12月9日」とし、「発言者指定」「会議指定」は何も入力せず、最後の「検索語指定」に「桜を見る会」と入力。

で、下にある「検索」をクリックすると、以下の結果(検索でヒットした検索件数)が表示されます。

そうか、こうやって件数がまず分かるのか...と、あれ?元の記事では43件とあったのに、なぜか49件となってるぞ...差分の6件はなんだろう。検索の仕方を間違えてるのかな?いや、日付もあってるし、検索語もあっている、と思う。

差分の6件はなんだろう、謎だ。

49件で計算すると

仮に実は43件ではなく49件が正しいとしたら、元記事も訂正して改めて合計時間(15時間12分としているところ)も見直していただけると嬉しいですね。

多分43件が49件になったところで、あまり変わらないとは思いますが、もしかしたらその中には極端に時間がとられているもの(2.8%としている今回の結果に大きく影響するようなもの)もあるかもしれません。

ちなみに43件で1時間12分、ということは、1件当たりが約21分。謎の6件も1件あたり同程度の時間がかかったとして計算すると、49件:約1039分(約17時間19分)。

全体の535時間41分に対して、49件として計算したこの17時間19分の割合は、約3.2%ぐらいになるのでしょうか。

ちなみに元の記事は実際にインターネット審議中継で視聴して、桜を見る会に割かれた時間を1つ1つ計測した、というところから、まさか質問時間だけを計測している、というのではなく、回答含めた時間を計測したものですよね...?

2.8%はどうでもいい?

元記事では、43件の占める割合が全体の2.8%で、だから、

  • 安倍首相の「政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれてしまっている」という発言が全くのデタラメ
  • 「野党が桜を見る会の話しかしないため、日本の政治が停滞している」というイメージを国民に植え、責任を野党に押し付けたい首相の魂胆が見え見え

という主張をしているわけですが、43件、15時間12分(912分)が正しいとしても、法案成立のために関連した議論が必要な場に、それとは一見全く関係がないこうした問題がところどころ質問として入ってくれば集中力もそがれ、「政策論争以外の話」とも言いたくなるでしょう。

また、日経の過去の記事「審議時間 1法案5時間 データで読む国会」をみれば、平均してとなりますが、1法案が成立するために約5時間30分かかる、としているデータもあります。

そうなれば、15時間にしろ17時間にしろ、その時間は別の法案を成立させるための審議時間としては非常に貴重な時間、とも言え、そうした視点からすれば「多くの審議時間が割かれてしまっている」とも言えるでしょう。(今回成立できなかった法案への審議時間としては十分な時間だったかもしれない)

国会の1日は何時から何時までは分かりませんが、15時間とか17時間は、国会の1日または2日ぐらいに相当すると思います。

1日あたり3億かかると言われる国会からすると、結果として桜を見る会の審議に3億~6億円は使用されている、更に、この桜を見る会問題が結果として何も生み出さなかったとすれば、それらのお金(税金)をドブに捨てている、ということも言えそうです。

本来その時期に必要な法案が成立しなかった、となれば、また次回国会に持ち越し。そうしたことが重なれば、この法案は本来半年前に成立したはず、とか、1年前に成立したはず、など、政治がどんどん停滞し、気が付けば日本の政治は世界に比べて何年も遅れている、なんてことにもなりかねません。(実際にはその法案が適切なタイミングで成立しなかったことで国民へ跳ね返る)

そうしたことを考えに入れずに数字が全体の数パーセントだから首相の言っていることは違う、というのは、これもまた違うような気がします。(その時間、パーセントが、今回の国会でどういった意味を持つかまで書いてくれると嬉しい)

実際の内容も勿論見れる

ちなみにこの国会会議録検索システム、実際に質問内容とかが見れてとても便利。

検索件数49件と表示されている右隣の「検索結果一覧を表示」をクリックすると、以下のように検索された内容(ここでは”桜の会”)が含まれる具体的会議名や会議日付が表示される。

具体的審議内容を見るには、会議名とかをクリックすると見れるようです。例えば、一番上の No.001「議院運営委員会」をクリックすると、...

上の画像のような感じで、左側の水色がキーワードの含まれる発言者名、そこをクリックするとその内容が右側に具体的に表示されて読むことができる、という感じです。

国会運営が多少なりとも改善できるかも

モリカケ問題もそうでしたが、こうした「本質的な審議にあまり関係ないようなもの」に見える内容(審議にかける時間)を把握するためにも、このシステムに質問とその対応に何分かかったか、も表示してくれるようにすれば良いのでは、と思います。(そして検索すると、質問1つ1つの回答含めた時間とそれらの合計時間が表示される、みたいな)

審議時間を計測して入力する、というのは、それほど大変な作業には思えないし(トータル10分、とかそういったレベルかな?)、こうしたシステムの改変も別に大した話ではないように思われるので(新たに入力欄を設け、それらを集計して表示するプログラムの追加のみなので)、今後こうした不毛な議論を招かないように今後是非とも対応してもらえれば国会運営の1つの改善につながるかもしれませんね。

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