台風と竜巻発生の原因や関係!アウターバンドやハリケーンとの違いとは

猛威を振るう台風ですが、竜巻発生のニュースもあわせて出ることがありますね。

ここでは、台風と竜巻発生の原因や関係から、ハリケーンとの違い、竜巻では「アウターバンド」と呼ばれる台風の中心から離れたエリアで発生しやすい、と言われていることから、それはどういうことなのか、などを一緒に見て、台風被害、竜巻被害に備えましょう。

台風とハリケーンの違い

台風とは、ご存じのように熱帯付近の海上で太陽熱により海面が暖められてそのエネルギーが渦を巻き、数百キロ、といった広範囲にも及ぶ物凄くエネルギーを持った低気圧です。この中で最大風速がおよそ17m/s以上のものを気象庁では台風と呼びます。

台風とハリケーンの違いはなんだろう、と思いますが、ハリケーンは最大風速が更に物凄いことになり33m/s以上のもの。

ハリケーンは位置による名称でもあり、東経180度(太平洋の真ん中)より東(つまりアメリカの方角)に進んだ場合はハリケーンと呼ばれます。

台風と風速

風速17m/sとか33m/sとか言われても感覚的にわかりづらいですが、風速10mでは立っていられるが、傘はさせないぐらい大変な状況。

台風のように風速20mぐらいになると、前傾姿勢をとらないと強い風により押し倒されそうになったり転倒することも(外を歩くときは非常に危険)。海は大波で家屋では瓦がはがれるなどの被害が出るぐらい。

ハリケーンのように風速30m級にもなると、しっかり身体を支えないとまず立っていられない。海では大波が吹き荒れ、家屋では屋根も飛ばされ、樹木も根こそぎ倒れる。住宅に大きな被害が出る、といった驚異的なもの。

これが風速35m/sにもなると、人間などは普通に吹き飛ばされる、といった感覚です。

2018年に猛威を振るった台風21号を例にとれば、9月4日小松市の西南西約30kmで、中心付近の最大風速は40m/s!中心付近は人間など普通に吹き飛ばされるぐらいになっている、ということになりますね。

天気予報などで風速の話もされますが、こういった感覚を持ちつつ十分気を付けましょう。

竜巻の発生原因

2018年で大きな被害を出した台風21号に限りませんが、台風が起きると竜巻もかなり発生するようです。

竜巻の発生原因、発生のメカニズムは、

  • 冷たい空気と暖たかい空気がぶつかり合い、
  • その冷気と暖気とがぶつかることで巨大な積乱雲が発生。
  • 上昇気流に引きずられて地上か上の雲へと長く伸びる高速な渦巻状の上昇気流となる。

これが竜巻です。トルネードとも呼ばれるのはご存知の通り。

地上から渦上のものが上に伸びる、というより、実際には地上付近まで渦巻が伸びてきたもの、が正しいようで、地上付近まで達しないもの(気流の渦巻きが地上に達しないもの)は正しくは竜巻とは呼ばれないみたいですね。

竜巻は台風とは全く異なり、竜巻は突風の一種。

直径は数十メートルから非常に大きなものになれば千メートル以上になるものもあり、寿命は短いものの、猛烈な渦巻状の上昇気流で建物は崩壊するは、人間や動植物、車に至るまで空中にぶわーと巻き上げられてしまうこともあり、その風の強さは非常に危険。(映画でよく見かけるシーンみたい)

一か所に留まる場合もあるようですが通常は積乱雲と共に移動し、寿命は短いと言いつつも、中には移動速度が時速100kmをこえるものもある、ということから驚きです。

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アウターバンドは竜巻が危険

意外な感じもしますが、台風に伴って竜巻は起きるもの。

NHK そなえる 防災|コラム|台風と竜巻の関係によれば、台風で起きる竜巻は、

  • 台風の中心から数100㎞~600kmぐらい離れた場所、
  • 更に進行方向に対して右側(東側)

で発生するようです。

これはアウターバンドと呼ばれる「台風周辺のエリアで、台風の中心から200キロメートル~600キロメートル付近の降雨帯」の位置になりますね。(ちなみにこれ以内はインナーバンドと呼ばれる)

例えば台風の中心が大阪だとして、その東側で竜巻が起きるとすると、

  • 名古屋付近から東京付近までがこのアウターバンド

に含まれそうです

2018年の台風21号のように近畿地方を通過する、といっても、実はその東側の名古屋から東京まで竜巻には要注意、ということになりますね。

例えば当時の気象庁の竜巻注意情報を見れば、9月4日18時時点では以下の通り。

黄色が竜巻注意情報、という事ですが、見事に名古屋から東京方面へ注意情報が出ている、といことになりますね。

台風と竜巻の関係

台風は反時計回りで動いていきますが、太平洋上から暖かく湿った空気を巻き込みます。これが上昇気流となって上空の冷たい空気にぶつかって積乱雲ができますが、この積乱雲がさらに発達すると強い上昇気流になるようです。

  • 日本上空には普段全く意識してませんが、年間を通して強い西風が吹いていて、
  • この西風が上昇気流に対して強い横風となり、
  • 回転する力が加わる、という結果に。
  • そうなると上昇気流が強く回転し竜巻となる、

という形のようですね。

実際過去どれほど竜巻が起きているかを気象庁の「竜巻等の突風データベース」から見れば、前線や台風の影響から9月が竜巻の発生件数が最も多く、1991年から2017年にかけて9月だけで実に110件発生、と突出してます。

今回の猛烈な台風21号では竜巻の心配がされる、といったニュースも出てきてますが、台風から離れた地域でも、台風の東側では十分気を付けて行きましょう。

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