大人(18歳以上)の肥満や低体重(やせ)の判定にはBMIという数値が用いられています。このBMIは厚生労働省でも説明がされているものですが、ここではそのBMIを自動計算して、BMIから見る肥満度はどれほどか見てみましょう。
自動計算以降で、BMIとは何か、その計算式や数値の信頼性、また、よく知る有名人のBMIはどうなっているかなど見てみてくださいね。
BMIで見る肥満度は成人が対象です。
1歳から6歳未満の幼児や、幼稚園児、小学生、中学生、高校生など、5歳から17歳までの子供の肥満度を見るには、以下を参照してみてください。
- 18歳以上の肥満度の自動計算はこちら
- BMIによる肥満度の自動計算(この記事)
- 6歳~17歳の肥満度の自動計算はこちら
- 1歳~5歳の肥満度の自動計算はこちら
肥満度の自動計算
身長と体重を入力してみてください。
その下にBMIの数値と肥満度が表示されます。
肥満度 | 身長に対する体重の範囲 |
低い体重 (BMI:18.5未満) | — |
普通の体重 (BMI:18.5以上25未満) | — |
肥満(1度) (BMI:25以上30未満) | — |
肥満(2度) (BMI:30以上35未満) | — |
肥満(3度) (BMI:35以上40未満) | — |
肥満(4度) (BMI:40以上) | — |
見方は以下。
- 肥満度がマイナスになる場合は「標準体重に対して体重が低い」
- プラスになる場合には「標準体重に対して体重が重い」
プラスでもマイナスでも「普通の体重」の範囲に入っていればBMIという数値的には問題ない、という見方になります。
BMIと計算式
BMIとは「Body Mass Index」の略で「ボディマス指数」と呼ばれるもの。
体重と身長の関係を計算式で数値化して肥満度を見るもので、日本だけでなく国際的にも世界保健機関(WHO)で用いられています。
BMIを求めるには、体重(kg)を身長(m)の2乗したもので割る、といった簡単なもので、計算式以下の通り。
※)細かい所ですが、BMIの単位は計算式から「kg/㎡」
例えば具体的な計算例として、身長175cm、体重70kgの場合には、
(175cmを1.75mとメートルに直して)
= 体重(kg)÷ (身長(m)2
= 70(kg)÷ (1.75(m)× 1.75(m))
= 70 ÷ 3.0625
= 22.8571428(約22.9)
身長175cm、体重70kgの場合では、BMIは約22.9、という計算になりますね。
BMIよる肥満度の判定
BMIの数値による肥満度の判定は、実は日本と世界保健機関(WHO)で少々異なり、日本では厚生労働省も参照している日本肥満学会で以下の様に定められてます。
BMI | 肥満度の判定 | (補足) |
18.5未満 | 低体重 | (痩せている) |
18.5以上25未満 | 普通体重 | (普通) |
25以上30未満 | 肥満(1度) | (肥満) |
30以上35未満 | 肥満(2度) | |
35以上40未満 | 肥満(3度) | |
40以上 | 肥満(4度) |
この表から分かるように、
肥満はBMIの値が25以上となりますね。
- BMIが18.5より小さい場合には痩せている(低体重)
- 18.5以上で25未満であればその身長に対して普通の体重(普通体重)
- 25以上であれば肥満(度合いによって4段階に分類)
BMIについて、世界保健機構(WHO)ではこちらで説明がありますが、以下のようなことを解説しています。
- 成人では、BMI中央値は21〜23の範囲
- 個人目標としては、BMI18.5〜24.9の範囲に維持すること
(日本肥満学会の判定で言えば普通体重にあたりますね) - BMI25.0から29.9では併存疾患(co-morbidities:別の病気を併存している状態)のリスクが高い
- BMI30を超えると、中程度から重度の併存疾患のリスクがある
WHOでもBMIが25を超えると
病気の併存のリスクが高くなる、ということをいっています。
また、厚生労働省のBMIの説明では、以下の様に解説されています。
- BMIが25を超える場合(肥満(1度)以上):
脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが2倍以上になる - BMIが30を超える場合(肥満(2度)以上):
高度な肥満。より積極的な減量治療を要する - 内臓脂肪の蓄積とBMIとは相関しない
メタボリックシンドロームの予備軍を拾い上げる、という意味から特定健診・特定保健指導の基準にBMIが採用されている
WHOでも厚生労働省でもBMIの値が25を超えると健康に与える影響が考えられるとされていることから、BMI、という視点で見れば、普通体重の範囲内(BMI18.5~25未満)を維持するように気を付ける、そのための1つの指標として活用する、ということになるでしょうか。
BMIの適用範囲と信頼性
BMIによる肥満度の判定は成人が対象です。
乳幼児はカウプ指数、学童児はローレル指数というものが用いられたり、文部科学省の学校保健統計調査(対象5歳~17歳)に見るように「肥満度」(BMIとは算出の仕方が異なる)を計算によって求めて評価されたりします。
世界保健機構(WHO Europe)の説明(英語)を見れば、BMIは19世紀に開発され、1970年代からその有効性に気が付かれたようですが、身長と体重のみに依存したものであるため、場合によっては肥満を過大評価してしまうことになったり、過小評価することも予想される、とあります。
また「厚生労働省の e-ヘルスネット:肥満と健康」でもBMIは身長と体重から単純に計算されたものであり、筋肉質なのか脂肪過多なのかまでは分からない、とあります。
BMIによる肥満度は、あくまで1つの目安的な扱い、とするのが良さそうです。
肥満となる体重を求める
自分の身長に対して、肥満とされる体重(BMIが25となる体重)はどれほどかは、以下の計算式で求められます。
以下で自動計算できます。
標準体重を求める
BMIが22となる体重は「標準体重」と呼ばれ、最も病気になりにくい身長と体重の関係とされています。
自分の身長に対するこの標準体重(BMIが22となる体重)はどれほどかは、以下の様に計算すれば分かります。
標準体重は以下で自動計算できます。
有名人のBMIをみる(参考)
参考までに有名人のBMIはどのぐらいか見てみましょう。
女優さんなどは身長、体重に対して公表値と実際が異なる場合も多いようですが、ローラさんや菜々緒さんは実際にご自身で体重を公表されてます。またアスリートの代表としてフィギュアスケートの羽生結弦選手や浅田真央選手、更には人類以外の代表としてウルトラマンを参考までにBMIがどうなるか見てみましょう。
ローラさん
モデルのローラさんは、自分で体重を公表してますね。
身長は公表値ですが、BMIは以下の通り。
身長 | 体重 | BMI | BMI評価 |
165cm | 49.7kg | 18.3 | 低体重 |
BMIの評価は低体重となってますが、身長165cmに対する普通の体重は50.4kg ~ 68.1kg未満となるため、BMI的には普通よりやや細め、という感じになるでしょうか。
菜々緒さん
モデルで女優の菜々緒さんも自分で体重を公表してますね。
こちらも身長は公表値ですが、BMIは以下の通り。
身長 | 体重 | BMI | BMI評価 |
172cm | 49kg | 16.2 | 低体重 |
BMI的に見れば身長172cmに対する普通の体重は54.7kg ~ 74.0kg未満となりますが、ローラさんと比べれば菜々緒さんは身長に対して体重がかなり軽め。
羽生結弦選手
男子フィギュアの羽生結弦選手。
平昌オリンピックの公式データからみるBMIは以下の様になります。
身長 | 体重 | BMI | BMI評価 |
172cm | 57kg | 19.3 | 普通の体重 |
BMI的に見れば身長172cmに対する普通の体重は54.7kg ~ 74.0kg未満で、羽生選手の場合その範囲に入っていることから、BMIの評価は「普通の体重」ということになります。
アスリートは基本はみな同じと思いますが、厳しいトレーニングを積んで脂肪のない筋肉質の体を作り上げていることから、(スケート靴を履いて身長が高めに見えるのもあるでしょうが)あれだけスリムに見えてもしっかり体重はある、ということになるでしょうか。
浅田真央選手
フィギュアといえば浅田真央さんですが、こちらは2014年ソチオリンピックの公式データからBMIを見てみます。
身長 | 体重 | BMI | BMI評価 |
163cm | 49kg | 18.4 | 低い体重 |
身長163cmに対して、BMI的に見れば普通の体重は49.2kg ~ 66.4kg未満。羽生選手と同様、鍛えに鍛えられているということもあると思いますが、BMIの評価はあと0.2kgで「普通の体重」となる「低い体重」。
脂肪のない引き締まった体になっている、ということになるでしょうか。
驚異のウルトラマン
人間ではないですが(笑)、
たとえばウルトラマンをBMIで見るとどうなるか興味本位で見てみましょう。
ウルトラマンの中でもウルトラセブンで見てみると、円谷ステーションの公式サイトでは身長40m、体重3万5千t(35,000,000kg)、となっていることから、BMIは以下の様になります。
身長 | 体重 | BMI | BMI評価 |
40m | 35,000,000kg | 約2万(21875.0) | 肥満(4度) |
BMIの数値が約2万ってなんだよー、という感じですが、実際の計算式は以下になります。
= 3万5千t(体重)÷ 40m(身長)2
= 35,000,000(kg)÷ 1600
= 21875.0 (約2万!)
身長 40m に対して標準体重を計算すると 35,200kg(35トン200kg)。が、ウルトラマンの体重は桁が全然違ってその約1千倍の3万5千トン。ということから、肥満度はなんと約10万%!(99,331.8%)(笑)。
さすが一人で地球の平和を守るために戦うだけあってBMIや肥満度のスケールもけた違い!
...と思いますが、身長は良いとしても何を元にして体重を設定したかが気になるところ。BMI的に見ればウルトラマンは想像を絶する肥満らしい。その体で地球の平和は守れるのでしょうか。
補足
BMIは身長と体重のみで計算するものであり、筋肉質なのかそうでないのかなどで肥満に対する実際の評価は変わるものです。あくまで1つの目安ととらえるのが良さそうです。
また身長に対して適正な体重を見る簡易な方法として、身長から110を引いたものを標準体重の目安にする、というのも良く聞きます。
例えば身長170cmでは、110を引くと「60kg」。BMIからみる標準体重は身長170cmでは63.6kg、普通の体重の範囲は 53.5kg ~ 72.2kg未満 となることから、まぁ、簡易に見るには良さそうかな、というところになるでしょうか。
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