今やメールはオフィスの中ではなくてはならないコミュニケ-ションツ-ル。
お手軽で便利な最強の武器、というところですが、難しいのが、特に上司とのメールのやり取りで「どこまで返信するものか」。
また「メールの締め」や「終わり方」の書き方も悩んでしまうことがありますね。
こういったところで時間をとっていては「できるビジネスマン」にはなれませんし、上司からの印象や評価も台無し!というものです。
ここでは上司のメールとのやり取りについて、どこまで返信すればいいか、メールの締め、終わり方はどうすれば良いかを徹底解説していきます。
メールはどうして困る?
まずそもそもですが、なぜメールで困るのか、少し具体的にしておきましょう。
- メールは簡単に出せる
- 簡単に返信できる
といった非常に便利でお手軽なものです。
直筆で書く手紙と比べれば雲泥の差。
(いや実際手紙でやり取りしたら発狂ものですが(笑))
この便利さ、お手軽さゆえに、逆にちょっと困ってしまう場面も出てきます。
上司からのメールにどこまで返信したらよいのか、返信したら(もう終わったと思ったのに)また返信があった、このメール返信しておかないとまずいかな、と迷ったり、
これを返信すれば終わり、
でも、きっちり終わらせる(終わらせたいが)最後の締めとしてどう書いたら良いものか、文章の終わり方についてあれこれ考え頭を抱えてしまうことに。
これは新入社員でも中堅社員も同じこと。
上司はあなたを評価する人、ということで、
上司へのメールの対応いかんによっては今後の社会人としてのキャリアを左右することになりかねません。
返信すべきはしっかり返信、そして最後の締めの文句で「このメールで最後」と伝える終わり方をすることで「こやつできるな」と印象良くする、と意識するのは大切な事。
たとえ普段の会話の中で、世間話など多少くだけた話し方で何も言わない上司でも、メールというビジネスコミュニケーションの場では見る目も自然と厳しくなるものです。
こうした点をまず念頭に置いておきましょう。
2つの場面で考える:部下から上司編
まず、上司とメールでのやり取りを行う場面を考えてみましょう。
ここで、
- ひとつは自分が質問等をする
「部下から上司へメール発信する場合」 - 上司から何らかの連絡がある
「上司から部下へメール発信する場合」
といった2つの場面が考えられます。
部下から上司へメール発信する場合
部下からメール発信する際には、
- 用件はなるべく的を射て簡潔に、
- 必ず「お忙しいところ誠に恐れ入りますが」などワンクッション入れる
というところがまずポイント。
ビジネスは皆忙しい中でするものです。
だらだらとした説明、回りくどい言い方、
不明瞭な表現があれば、それだけ読むほうも時間を割くことになり(上司に余計に時間をとらせることになり)、結局「これどういう意味?」となって更に時間がかかります。
「こいつ、要点も簡潔に言えないのか」
となって上司の目にちらりちらりと怒りの炎が見えてきそう(笑)
そこで、
- 伝えたい用件は、的を得ていること、
簡潔であること
これが一番の基本であり重要なポイントと押さえておきましょう。
またメールの出だしなどでは「お忙しいところ誠に恐れ入りますが」とワンクッション入れ、読む人(上司)の気持ちを柔らかにする、気を配る、というのも「できる社員」「気配りのできる社員」としてはポイントになりますね。
上司からの返信に対する返信
上司からの返信で問題解決、となれば良いですが、返信内容によってはまだよく理解できない、分からない点がある、ということだって出てきます。
そんな時には
- 「重ねての質問で大変恐縮なのですが」
など、相手に対して「お時間をとらせて申し訳ありません」、という気配りの気持ちが伝わる文章を挟むことがポイントです。
「お、こいつ、気を使ってるじゃないか。いいやつだ」
という印象を持ってもらうことにもなりますし、そうした気持ちになってもらえれば、返信内容も期待できるというものです。
締めの文句は「よろしくお願いいたします」では不十分?
こうして何度かメールのやり取りが続きますが、ここで困ってしまうのが、どこまでこのやり取りを続ければ良いのか、ということです。
あまりダラダラとやり取りを続けると上司だって忙しいのに迷惑この上なし。
- 「なんでもっと簡潔にできないんだ」
- 「終わったのか終わってないのかはっきりしろよ」
と部下であるあなたに対する印象もがた落ちです。
そこで、「これで良し、得たい情報はすべて得た」、となれば、必ずお礼を述べつつ、
- 「ありがとうございました。
今後ともご指導くださいますようお願いいたします。」
というような文章で締めてみてください。
何でもかんでも「よろしくお願いいたします。」だけで終わらせてしまう文章をよく見かけますが、締めの言葉としてはどこか中途半端、というか、これで終わり、と明確になっていない印象です。
特に部下からこの単なる「よろしくお願いいたします」メッセージが届いたら、
「よろしくって、まだ何かあるのか?」
など、この後更に何か返信しなければならないのか、どうもしっくりこない、と上司に思われたり、変に勘違いされることも考えられますね。
別の締めの文句
上司と2,3度やり取りして、
- 必要な情報がなかなか得られない、
- これ以上メールの返信を続けると上司にも時間をとらせてしまっているし、自分の仕事も進まない、
- これはまずいぞよ、
という状況もあります。
そんな時には、
- 「一度簡単なお打ち合わせにて、ご教示いただけないでしょうか?」
など、メールの返信で「口頭での説明をお願いする」というのが上司にとっても、「このままメールを続けるよりも口頭で話した方が速い」となり、仕事の進め方としてもいい感じです。
この場合の最後の締めは、
- 「お忙しいところ恐縮ではございますが、ご検討いただきたく、よろしくお願い申し上げます。」
ぐらいを添えると良いですね。
2つの場面で考える:上司から部下編
続いては、上司から来たメールに対する対応です。
上司からのメール発信に対する返信
上司からのメールでは、ほとんどの場合、業務内容の確認やちょっとした質問という感じです。
ここでの基本は、
- 聞かれたことには簡潔に答える
これを念頭に置き、ビジネスメールの書き方としては、
- 結論を先に述べる(大原則)
- その後に経緯や詳細など、極力わかりやすく起承転結を意識して書く
というところがポイントです。
ここでも悩ましいのが「メール返信をどこまでどうやって終わらせるか」ということですね。
メール返信の締め方
この場合、1回目の返信で既に質問事項に回答をし、その1回ですべてクリアになっていれば、上司からのメール返信として「ありがとう」と送られてくるのが普通です。
(あまりに緊急事態であれば返信が来なかったり、すれ違いざまに、あのメール、ありがとう、と言われる場合もありますが(笑))
さて、ここが問題で、上司から「ありがとう」とメールが送られて来たらどうするか?
- これ、返信必要なのかな?
- 返信するにしてもなんて書けばよいのだろう
ここにあなたのビジネスセンスが出るところ。
さてどうすれば良いかですが、
答えはまず「返信します」。
返信内容としては、
- 「ご不明点など何かございましたら、お手数ですがご連絡のほどお願いいたします。」
また、上司からのメール内容に指摘事項が含まれていたとしたら、
- 「この他にもお気付きの点等ございましたらご指導ください。」
等の短い文章で締めましょう。
この内容を上司が見ると、
「しっかりしてるし、礼儀正しいやつだな。」
「いや、感心感心。」
という印象を持ってもらえるところになるでしょう。
さらに返信で質問があった場合の締め方
でも、回答が不十分だったために上司から追加のメール連絡があることもあります。
その際に心掛けたいのは、
- すぐに返事ができる環境であるなら、すばやく返信する
これは顧客、お得意様に対するメールととらえ方は同じで、たとえその時点ではっきりとした回答ができない状態であっても、
「読みましたよ」
「メールの内容、確認しましたよ」
ということを相手に知らせるのがビジネスでは基本であり、何より重要です。
(相手からの信頼度が高まります)
仮にはっきり回答できないときには、その理由と回答できる期日を必ず明記して、
- 申し訳ございません。
ただいま、xxxxのため、ご回答が難しい状況にあります。
ご質問の件につきましては、いついつまでに回答させていただきますので、もうしばらくお待ちください。
こういったことも
「迅速な対応」「丁寧な対応」
ということになりますので、
双方の信頼があってこそのビジネスにおいては非常に大切なポイントです。
勿論回答ができ、そのメール返信が出来れば同様に、
- 「ご不明点など何かございましたら、お手数ですがご連絡のほどお願いいたします。」
という締め方で良いですね。
メールの終わり方
さて、何回かのやり取りで無事に「締め」まで漕ぎつけたら、もうひと頑張り。
というのも、どのようにやり取りを終えるかで相手に与える印象は大きく変わってしまうからです。
終わりよければすべて良し、という言葉通り、ここはしっかり終わらせたいところ。上司からの発信でも部下からの発信でも共通です。
これが顧客だったら、
「今後とも何卒よろしくお願いいたします。」
またはもう少し丁寧に
「今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」
という終わらせ方もアリですが、
社内にいる上司に対しては何か(ある意味)丁寧すぎる、他人行儀みたいな違和感を持たれるかもしれません。
- 特に指摘事項などない普通のやり取りでは
「以上、よろしくお願いいたします」 - 何か指摘事項などのメールでは
「今後ともご指導のほどお願いいたします。」
ぐらい良いでしょう。
普段は少し頼りないように見えたり、無礼講の宴会では「今時の奴は...」などと思われていたとしても、
「お!ビジネスの場面でしっかりしてるな」
「こいつは頼もしいな!」
と思ってもらえる文章で送ることができれば、社内の評価も驚く程上がります。
TPOに合わせた振舞いができる、
そうした文章が書ける、
というのは、社会人とし当たり前というところでもありますが、これが一夕一朝には行かないもの。
急な対応にも困らないよう、普段からビジネスの場面では例えば先輩と上司のメールのやり取りもしっかりと参考にするなどして、ビジネスメールのスキルを上げて行きたいですね。
この記事のまとめ
- 部下から上司へ発信するメール
- どこまで返信
「これで良し、得たい情報はすべて得た」というところまで返信 - 締め方
「ありがとうございました。今後ともご指導くださいますようお願いいたします。」 - 中々終わりそうもない場合の締め方
「一度簡単なお打ち合わせにて、ご教示いただけないでしょうか?」など、メール返信で口頭での説明をお願いする
- どこまで返信
- 上司から部下発信するメール
- どこまで返信
「ありがとう」とメールが送られて来たら返信 - 締め方
「ご不明点など何かございましたら、お手数ですがご連絡のほどお願いいたします。」など - 上司からのメール内容に指摘事項が含まれていた場合の締め方
「この他にもお気付きの点等ございましたらご指導ください。」
- どこまで返信
- メールの終わり方(共通)
- 特に指摘事項などない普通のやり取り
「以上、よろしくお願いいたします」 - 何か指摘事項などが含まれたメール
「今後ともご指導のほどお願いいたします。」
- 特に指摘事項などない普通のやり取り
その昔、通信手段が主に電話だった時に相手が留守だったりして、イライラした経験があるという人もたくさんいるかも知れません。
その点メ-ルは相手が不在の時でも、こちらの用件はしっかり伝えることができるし、文章になっていることから「言った、言わない」などというトラブルも起こらないのは良いことですね。
ただ、その便利さゆえに悩むことも多いものですが、ここでメールの終わり方、締め方、そのほかメールでのポイントをしっかりおさえ、「できるビジネスマン」として、上司、顧客、同僚などの信頼を勝ち取って行きましょう。
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