上司へ英語で挨拶したり、お礼や感謝を表現する、ともなれば、胸の鼓動が押さえきれず、もうドキドキです。
メールでも英語でなんとか用件は書き終えた。さて、最後の結びはなんて書けばよいのだろう、と考えること小一時間。これでは仕事もなかなかうまくいきません。
ここでは上司に英語で挨拶したり、英語でお礼や感謝を表現するするにはどうするか。メールの結びは英語でどのような表現を使っていけば良いのか、ビジネスシーンで使う英語のポイントを見て行きましょう。
これであなたの仕事も美しくスマートに!
英語に敬語がないって?
挨拶やお礼、感謝の気持ちなどの表現を見る前に、少しだけ英語の特徴を見ておきましょう。
TPOをわきまえた表現
「英語には敬語がない」、と思っている人もいるかもしれませんが、それはある意味間違いです。英語にもTPOに合わせて使うフレーズというものがあり、相手との距離感によって丁寧な表現を使います。
映画やドラマを見ていると気が付きますが、相手が上司であってもファーストネームで呼び合ったりしますよね?
文化の違い、といったら以上で終わりですが、相手との距離感が近い場合には、結構フランクな会話をしたり、距離感が遠い場合、例えば刑事ドラマで刑事の上司と部下が普通に会話していても、聞き取りで何か事件に巻き込まれた家族と話すとき、近所の家庭の人と話すときは丁寧な表現を使っています。
この距離感、というものは日本語とも共通するところですが、英語は上下の関係、というより、相手との距離感、TPOに合わせて丁寧な表現を使う、というところをまず押さえておきましょう。
英語の丁寧な表現ってどういうもの?
英語の丁寧な表現とはどういったものになるか少し見ておきましょう。
英語の丁寧な表現は、使うフレーズや文の長さに特徴が出ますが、良く見られる「丁寧な表現の段階」で見ると以下のような感じ。
例えば、何か送ってください、という場合、
- レベル1)命令口調(ストレート表現)
- Send it to me.(それ、送ってよ)
- レベル2)命令口調に少し丁寧さが加わるだけ(Pleaseを付けて少し柔らかく)
- Please come with me.(それ、送ってくださいよ~)
- レベル3)ちょっとだけ丁寧かも(相手に聞くといった疑問形)
- Will you come with me ?(それを送ってくれるますよね)
- Can you come with me ?(それを送ってくれますか?)
- レベル4)丁寧(仮定法で丁寧に)
- Would you come with me ?(それを送ってくださいますか?)
- Could you come with me ?(それを送っていただけますでしょうか?)
- レベル5)更に丁寧(仮定法+possibly でさらに丁寧)
- Could you possibly come with me ?(できましたら、それを送っていただけますでしょうか?)
- レベル6)かなり丁寧(丁寧表現の定番)
- Would you mind if I asked you to come with me ?(それを送ってくださいとお願いしても気分を害さないでしょうか?)
- レベル7)非常に丁寧(wonder if+仮定法でとても丁寧)
- I wonder if you could come with me.(それを送っていただけたらと思いますがどうでしょうか)
- レベル8)めちゃめちゃ丁寧(過去進行形で最上級の丁寧さ)
- I was wondering if you could come with me.(それを送っていただけると誠にありがたく存じますが、いかがでしょうか)
他にも「May I ~」 などの表現もありますが、丁寧な表現は、それだけ気を使っている表現で、単語も多く、結果として「丁寧な表現は1つのフレーズが長くなる」、ということになります。(これは日本語でも同じ)
また 「will や can の過去形を使う」(仮定法にする)、「主語が you から I に変わる」と、丁寧になっていきます。
※)「woud you mind if ~」について
最上級の丁寧さ、と説明されていることもありますが、ネイティブの先生(カナダ人)には、こういった丁寧さの順で教わりました。(と記憶してます)人によって受ける印象が変わるかもしれません。
この例で見るように、丁寧な表現は、
- 直接的な言い方(命令口調)
Do it ! Please Do it !
↓↓↓↓↓↓ - 相手に許可を求める言い方(丁寧さが加わる)
Will you ~ ? Can you ~?Would you ~ ? Could you ~ ?
↓↓↓↓↓↓ - 自分はこう思うがあなたはどう思うか?(非常に丁寧)
I wonder if you could ~, I was wondering if you could ~
という形に変わります。
丁寧に表現したい場合には、どのフレーズ使うんだっけ?と形を思い出すより、この点に注目すると分かりやすいですね。
ビジネス英語では、上で見る単に「Please」をつける、とか、単に疑問形にする「Will you ~」「Can you ~」はちょっと不適当な感じです。丁寧に表現するには 「Would you ~」「Could you ~」と許可を求め、さらに丁寧にする形を使うのが良いですね。
上司への英語のポイント
上司へ英語で丁寧に話したい場合、上の例で見たようにその丁寧さも段階がありますが、英語は日本語の上下関係による言葉、というより、相手との距離感によって丁寧さが変わります。
それでも命令口調は使わずに、また、なんでもかんでも please を付ければよい、というものでもなく、上で見るレベル4の 「Would you ~」、「Could you ~」や更に丁寧な表現などを使えば良いですね。
また上の例で見たように、丁寧にしようとするとそれだけ気持ちを表すために文が長くなります。日本語にも共通するところですが、丁寧に表現しようとする場合は省略などはせず、その上で丁寧な表現をつけていく、という感じ。
上司が英語ネイティブであれば、当たり前ですがあなたの英語レベルというのも当然わかってます。丁寧に言おうとして間違えようが、一生懸命伝えようとすれば、それは上司と部下の人間関係の中で理解をしてくれるもの。
- 間違いを恐れず熱意をもって表現していく、
- 気持ちを伝えたいんだ、と一生懸命表現していく
というのが一番のポイントになりますね。
ちょっと英語をかじっている、俺は英語知ってるぞ、などと少し自慢げな気持ちで若者が使うような言葉やスラングなどを混ぜてしまうと、
「なんやねん、こいつは」
と思われてしまうかもしれませんので(笑)、使わないように気を付けましょう。
上司へ英語で挨拶!
普通が一番!
英語で挨拶、といえば、「What’s up ?」「 How’s it going ?」 (やあ、何かあった? 調子はどうだい?)など、友達同士で気軽に使うフレーズもありますが、これはあまりにフランクすぎ。
上司に挨拶するとなると、え?これでいいの?という英語の最初に習う普通の表現でOKです。
- Hello(こんにちは)
- Good morning, xxx
(おはようございます、xxx さん) - Good afternoon, xxx
(こんにちは、xxx さん) - Good evening, xxx
(こんばんは、xxxさん)
これらが普通にして、英語の丁寧な挨拶です。
ちょっとしたフレーズを付け足す
通常は、この後に普通の挨拶の後に簡単な文をつなげていくと、より自然な感じになります。例えば、
- Good morning, xxx. It’s a wonderful day, isn’t it ?
(おやようございます、xxxさん。今日は素晴らしい日ですね!) - Good afternoon, xxx. We almost finished the project.
(こんにちは、xxxさん。あのプロジェクトもほぼ終わりです)
英語の挨拶のポイントは、ちょっとしたフレーズを付け加えるというところ。(日本語でも同じですよね?)
ちょっとしたフレーズのおすすめは、誰にも共通する話題の今日の天気。さぁ、今日は良い日、今日は雨、など、天気の簡単な表現、振り返っておきましょう。
上司に英語で「お礼や感謝」を伝える
英語でお礼や感謝の気持ちを伝えるのに真っ先に思い浮かべるのが「Thank you.」。日本人でも誰もが言えるフレーズの1つになりますが、この「Thank you」が上司に対する英語でも基本です。
誰もが知る「Thank you」につけ足して
この「Thank you」も、単に Thank you でも良いですが、上の方の丁寧な表現で見たように、丁寧にしようとすると文が長くなります。
たとえば日本語でも、単に「今日はありがとう」、より「今日は誘ってくれてありがとう」とか「今日は電話してくれてありがとう」など、何に対してお礼を言っているのか、感謝しているかを付け加えると、相手に気持ちがより伝わり丁寧な表現になりますね?これは英語でも同じです。
- Thank you for calling me.(電話してくれてありがとう)
Thank you の後に「for ~」を付けて、何に対して言っているのかしっかりつけていくことで、丁寧なお礼や感謝の言い方になっていきます。
文字通り感謝します!
また、文字通り感謝します、という場合には appreciate も使えます。
- I appreciate it. (感謝しています)
- I really appreciate it.(とても感謝しています)
Thank you とくっつけて、
- Thank you. I really appreciate it.
(ありがとうございます。とても感謝しています)
というような言い方もできますね。
上司へのメールで英語の結びは?
最後はメールに関してです。
英語メールの結び
何とか苦労して英語で用件を書いた!さてさてメールの結びは英語ではどうしたらよいんだろう?と悩むわけです。
結びにもメールの内容によってはいくつか状況があり、
- お礼や感謝を表した結び
- お詫びを表す結び
- 依頼を表す結び
などがありますね。
各々について、英語でメールの結びとして表現すると、
- 1)お礼や感謝を表した結び
Thank you again for ~
(既に感謝をメール内の本文中に言っているため、最後は again とつけている) - 2)お詫びを表す結び
I’m very sorry for ~
(こちらは改めて sorry for ~ と最後に~に対してお詫びの意を表す) - 3)依頼を表す結び
Thank you in advance for ~
(依頼をした結果何かがなされることに対して、事前に感謝する、ということで 「in advance」を付けている)
英語メールの最後の締め
そしてメールの最後の締めとしては、
- Sincerely yours,
xxxx(あなたの名前) - Best Regards,
xxxx(あなたの名前) - Kind Regards,
xxxx(あなたの名前)
などを使っていけば良いですね。
ポイントとして、締めの言葉の後に”,”を入れる、最後に名前を入れる(ファーストネーム等)というところ。
これであなたはもう悩まない!

上司への英語でまとめ
- 上司への英語のポイント
- 間違いを恐れず熱意をもって表現していく
- 気持ちを伝えたいんだ、と一生懸命表現していく
- 上司へ英語で挨拶
- Hello
- Good morning, xxx
- Good afternoon, xxx
- Good evening, xxx
- 更に一言フレーズを足す(天気の話題など)
- 上司に英語で「お礼や感謝」
- 基本は「Thank you」
- 更に何に対してかを for ~ で具体的に表現する
- appreciate (感謝する)も勿論使える
- 上司へのメールで英語の結び
- 1)感謝を表した結び
Thank you again for ~ - 2)お詫びを表す結び
I’m very sorry for ~ - 3)依頼を表す結び
Thank you in advance for ~
- 1)感謝を表した結び
- 上司へのメールで英語の締め
- Sincerely yours,
xxx(あなたの名前) - Best Regards,
xxx(あなたの名前) - Kind Regards,
xxx(あなたの名前)
- Sincerely yours,
上司への英語の一番のポイントは、間違えを恐れない、熱意をもって一生懸命表現する、これに尽きると思います。
英語がどうしても上達しない、という場合、「間違えを恐れすぎる」というところ、受験英語の影響で「完璧を求めすぎる」というところが非常に大きなネックとなりますが、英語話す人が全て正しい英語でしゃべっているかというと、実は結構適当な人、沢山います。(笑)
それでも彼らは堂々と英語で仕事をし、英語で交渉事を行い、さっそうとビジネスシーンを駆け抜けてますね。こういった人たち見習って、たとえ今は間違えだらけだとしても、熱意をもって堂々と英語で上司に語り掛けて行きましょう。
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