総裁選のドント方式とは分かりやすく解説!候補者二人の場合の計算は?

2018年9月に自民党の総裁選が行われます。

総裁選には議員票(自民党に所属する国会議員による票)と地方票(党員・党友の票)とがありますが、議員票は国会議員一人につき1票と分かりやすい反面、地方票は「ドント方式」(またはドント式)と呼ばれる計算によって票が候補者に分配される、となっています。

ここでは、この「ドント方式」とはどんなものか、また今回の総裁選のように二人の候補者の場合にはどうなるかを、サクサクッと見てみましょう。

ドント方式とは

ドント式とは、選挙などで総得票数を1,2,3と順に整数で割り、その割った数値を元に票を振り分ける方式です。

たとえば以下、A候補、B候補、C候補、と3名の候補がいたとして(候補者は党と置き換えても良いです)

  • 各々の総得票数が、150,000、135,000、70,000 であり、
  • この総得票数に応じて、各々に10票分を振り分けたい、

とすると、以下のようになります。

「1で割る」の行には、大本の総得票数を1で割っているだけなので、総得票数と同じ数値、その下の「2で割る」の行には、総得票数を各々2で割った数値、といったように順に計算した結果を並べます。

今回は10票分を振り分けたい、ということから、計算した結果の大きい数値順に10個選んでいくと①から⑩までとなり、結果、

  • A候補:4票
  • B候補:4票
  • C候補:2票

ということになりますね。

石破茂元幹事長が自民党総裁選向けに、将来のビジョンとして短編小説を発表しましたね。 「柔らかい日本 あるいはイシバ内閣にワタシたちが夢想する未来」 石破茂元幹事長のめざすところの「安全保障と地方創生の確立」の「地方創生」を分かり...

候補者が二人の場合

ドント式はこうした整数で割って行って、大きいものから順に票としてカウントするもので、比較的公平に票の分配ができる、とされてます。では候補者が二人の場合はどうなるでしょう?

以下いくつかの例で見てみましょう。

1)二人の候補者の票が3:2だった場合

A候補、B候補の二人の総得票数が150,000、100,000、といった、3:2の場合、10票分をこの総得票数に応じて分配したい、ということでドント方式で計算してみます。

結果は以下の通り。

見て分かるように、A候補は6票、B候補は4票。

元々の総得票数は3:2でしたが、結果として6票、4票となり、10票を3:2で分配したことになりますね。

2)二人の候補者の票が3:1だった場合

では他の例として、A候補、B候補の二人の総得票数が120,000、40,000、といった、3:1の場合、ドント方式を使って10票分をこの総得票数に応じて分配したい、と計算するとどうなるか。

A候補に8票、B候補に2票、ということになりました。

元々の総得票数は3:1でしたが、ドント式で計算すると(この場合では結果として)4:1に分配される、ということになるでしょうか。

3)二人の候補者の票が4:1だった場合

では更に二人の候補者の総得票数に開きのある4:1の場合にはどうなるか、を見てみましょう。

例2)の二人の候補者の票が3:1だった場合と結果は同じで、A候補に8票、B候補に2票、ということになりました。

この場合はもともとの得票数が4:1で、結果としての表の分配も8票対2票で、4:1になってますね。

ドント式を考察

「1)二人の候補者の票が3:2だった場合」、「3)二人の候補者の票が4:1だった場合」は、10票という数をうまく分配できる(整数で分けられる)割合だったため、ドント式で見てみれば、結果も綺麗に元の得票数に応じて票が分配できた、ということになるでしょう。

「2)二人の候補者の票が3:1だった場合」では、10票を数学的に正しく分配すれば、7.5票:2.5票となり、整数で分けられません。端数がどうなるかは、大本の数値によって、8票対2票、または、7票対3票、という結果になる、ということですね。

では「2)二人の候補者の票が3:1だった場合」で、10票を分配するのではなく、12票といった3:1で分配できる票の数(9票:3票)をドント式で分けるとどうなるか。

⑪、⑫が加わり、結果として、A候補9票、B候補3票で、3:1となり、大本の得票数の割合と同じになりますね。

これらから、候補者二人の場合、ドント式を使って票を分配する、ということは、総得票数の割合で分ける、というのと同じこと、というのが分かりそうです。

2018年9月の自民党総裁選では、地方票(党員票)は405票。

安倍晋三首相、石破茂・元幹事長に投票された地方票について、地方票全体でまず集計され、その後ドント式で得票数に応じて分配される、という説明がされてますが、405票を得票数の比率で分ければ、それがそのままドント式で分配した票数、ということになりそうです。

2018年9月の自民党総裁選、大勢は安倍首相の勝利、と予想されているところに注目されているのが小泉進次郎筆頭副幹事長の対応です。 いろいろなニュースで事あるごとに、小泉進次郎氏はどちらを支持するのか、と話題になりますが、果たして最...

ドント式のうんちく

このドント式は、ベルギーの数学者ヴィクトル・ドントさんから名づけられているもの。

日本だけでなく、オーストラリア、フィンランド、オランダ、スペイン、トルコ、など、世界26か国ぐらいで取り入れられている方式のようですね。

簡単な計算から見れば公平に分配されるようですが、実は得票が多い候補(政党)に有利になるとか。

ドント式で計算するのは、公職選挙法の「95条の2」、「95条の3」で規定されているものですね。(95条の2は、衆議院比例代表選出議員の選挙、95条の3は参議院比例代表選出議員の選挙)

2018年9月に自民党の総裁を決める選挙、いわゆる総裁選が行われます。 現時点での総裁はご存知安倍晋三(首相)となりますが、2012年、2015年と2期連続で総裁に選ばれ、今回任期3年が満了することで、2018年の総裁選、ということになり...

シェアする

フォローする