会社における上司と部下、この人間関係は、普段の仕事の成果や給料、出世といったところに非常に大きな影響を与えます。
そんな上司から「私だけ目を合わせてくれない気がする」「自分だけ話しかけてこない」となったら、それは嫌われているサインかもしれません。
上司に嫌われたら評価にも影響が出る可能性もあり、そう考えると仕事にも集中できず、成果も落ちて悪循環にもなってしまいます。
ここでは、目を合わせてくれない、話しかけてこない、を含めて「上司に嫌われているサイン」とその対応、対策をしっかり押さえていきましょう。
まずは予備知識として上司に嫌われることの危険性には何があるかから見ていきます。
上司に嫌われていることの危険性
会社における上司と部下、この人間関係は、普段の仕事の成果や給料、出世といったところに非常に大きな影響を与えます。
上司がその部門やチームの方向性を決断したり実務的な評価をすることで、あなたが行う仕事は何かが決まります。
また最も重要な「昇給」や「昇進」の審査をする立場にあるのが上司。
会社生活において、
あなたのやりがいや達成感、
更に実生活に多大な影響を及ぼす給料やボーナスにつながる昇給、昇進、出世のカギを握る存在、これが上司というものです。
- 上司によりあなたが行う仕事が決まる
- それによりやりがいや達成感に多大な影響が出る
- 上司によりあなたの評価が決まり、ひいては出世が決まる
- つまりは給料やボーナスにつながる昇給、昇進に多大な影響が出る
こういった重要な存在である上司に嫌われてしまうと、給料やボーナスにも影響がでる、社内だけではなくあなたの生活自体に影響がでる、ということになりますね。
上司に嫌われているとしたら、まずそのサインに気づくことが重要で、その上で何らか対応、対策をとる必要がありますね。
上司に嫌われているサイン
上司に嫌われているかも、と感じるとき、
それは何らかのサインが上司から出ているものです。
それら「上司に嫌われているサイン」は
どんなものがあるか、またその深刻度を見て行きましょう。
レベル1)自分にだけ目を合わせない、話しかけてこない
仕事をする中で上司に話しかける、質問する、相談する、ということも多くありますが、なぜか自分の時だけ無愛想になる。
また逆に、上司は自分にだけ目を合わそうとしてないように見える、話しかけても来ない。
こうした場合は、明らかに
「自分のことだけ好きではない」
「上司は自分を嫌っている」
といった兆候のあらわれです。
すべてがそうだとは言えませんが、
たとえばあなたが素敵な女性で、上司が男性の場合、異性として意識しないように避けている、という場合もあれば、単純にその時上司が機嫌が悪かったりして目を合わせない、話しかけない、不愛想になる、という時もあるでしょう。
それでも思い当たるふしは何もないのに、
- いつも自分だけ目を合わそうとしない
- 自分だけ話しかけてこない(ほかの社員には話しかけてるのに)
- いつ話しかけても対応がそっけない、
- 挨拶しても無視される、
- 無愛想、
- 話したとしても目を見て話してくれない、
こうした兆候が見られれば、これは「上司に嫌われているサイン」となるでしょう。
こうした態度の表れは
- 「可能な限り接触を避けたい」
- 「直接の会話を避けたい」
- 「会話が必要だとしても必要以上に時間をかけられない」
- 「なるべく早く会話を切り上げたい」
という心理の現れになりますね。
レベル2)人前で批判されたり怒鳴られる
上で見たレベル1では、まだ「自分だけがどうも避けられているようだ」といった感覚的なものに近いですが、そこを超えると「人前における上司の態度」が変わる、ということもありますね。
たとえば仕事上、上司が部下を叱る、というのは良くあることですが、
「できる上司」は決して人前で怒鳴りつけたり罵倒などはしないもの。
運悪くあなたの上司が「できない上司」であっても、悪く思っていない部下に対しては仮に叱ったりする時にも立場を考えて気を使うものです。
話しかけても無愛想、目を合わせてくれない、などのレベルを通り越し、これが会議中や同僚の前など、
- 多くの人の前で、あなたのアイデアを批判したり、ちょっとしたミスを怒鳴りつける、
- まるで恥をかかせるように大声で叱責する、
他の人にも同様であればそれは「その上司はそういう人」で終わりますが「私だけどうして?」となれば、あなたを単に貶(おとし)めたい、嫌っている、ということが上司の態度に出ていることが分かります。
「人前で批判されたり怒鳴られる」、
これも「上司に嫌われているサイン」になりますね。
レベル3)簡単な仕事、面倒な仕事しか与えられない
目を合わさない、話しかけてこない、
無愛想、人前で怒鳴られる、こうした以上に影響が出るのが、
- 仕事上、自分はもっとできるのに簡単な仕事しか与えられない
- 他の人と比べてなぜか面倒な仕事が与えられる
これらは仕事面における評価にもつながる重大事。
誰でもできる仕事や、単に面倒だけの仕事であれば、評価したくても良い評価はそもそも与えられないし、難易度や重要度の低い仕事しかしてなかった、ということで評価が下がるかもしれません。
査定に響き給料も上がらない、
ボーナスも下がる、という可能性も出てきます。
面倒な仕事を与えるとか、
誰もが出来るような仕事を与える、というのは、
- あなたの仕事に対する能力を過小評価している、
- こんなのはあいつにやらしておけばよい、
こうした感じで、快く思っていない部下に対して行うもの。
面倒な仕事といっても、
- その仕事をこなすにはスキルが必要であり解決には相当な努力がいる
- その中で足りなかったスキル、能力を補い成長できる
という類の仕事であれば、過小評価どころかあなたの評価は高く、こいつを成長させたい、こいつにしかできない、ということからその「面倒な仕事」は与えられるものです。
そうではなく、本当だったらあの人がやるべきものなのになんで私が?というものが良く来るようであれば、残念ながらそれは上司に嫌われているサインとなるでしょう。
レベル4)任せてくれない、決定権がない
会社における仕事という点では、上司は当然「信頼のおける部下には仕事を任せる」、ということをします。任せるということは、進め方などを含めて決定権を与える、ということで、部下にとってみれば、
- 任されると責任が出る、と同時に、
- 自分の裁量で仕事が進められる、
- やりがいも俄然出てくる、
という事につながります。
(任されるというのは大きな責任を伴い大変な事でもありますが、とても嬉しいものでもありますね)
これが逆に上司に嫌われていれば、
- 上司はその部下を当然信頼せず、
- 仕事を任せることもしなければ、
- 何かを判断して決定させる、なんてことはまずしない
こうなると、昇進の可能性も低くなり、いつまでたっても平社員。
同期の人は出世していっているのに「なんで?」という未来にもつながり、給料も今のままか、下手をすると下がることも考えられます。
給料だけでなく、年齢が1つ上がるごとに、
上司だけでなく周囲からも「できないやつ」と後ろ指差されることになる可能性もありますね。
決定権とは言わないまでも、
上司が何か判断をしなくてはならない時に自分の意見には耳を貸してもらえない、話を聞いてくれない、といった場合にも、信頼されていない、評価されていない、といった可能性が高く、嫌われているサインになりそうです。
レベル5)リアクション、フィードバックがない
仕事は特にですが、同僚、上司、部下からのリアクション、フィードバックがあってこそ、進むものだし、その中でやりがいなどが出てくるものです。
上司からのリアクション、フィードバックと言えば、メールやLINEでの返信、仕事自体の評価、仕事の進み具合や進捗状況のチェック、それに対するコメント、アドバイス、といった様々なものがありますね?
ところがこれらが非常に少ない、全然ない、LINEも既読スルーとなると、これはかなり深刻な事態です。明らかに「上司からのお前は嫌いだサイン」とも言えそうです。
自分が行った仕事に対して反応が得られない場合、手ごたえ、やりがいもなくなりモチベーションも下がり、仕事のパフォーマンスにも影響が出るものです。
こうした状態は、上司は部下に対して全く無関心。無視といっても良いですが、これは会社の中では村八分状態のレベル5のサインです。
そもそもリアクション、フィードバックがない、という時点で、
- 与えられた仕事は全然重要ではない、
- そんな仕事しか与えられてない、
ということにもなり、
コミュニケーションもないのでいざ評価という段になっても評価のしようもない。
嫌われている以上に、あなたの現在、未来も全く無関心、ということになり、昇給、出世は全く望めません。嫌われ度100%状態です。
嫌われているのは上司の責任だけではない?
ここまで見てきたように、
確かに「上司に嫌われているサイン」があったとしても、実は上司だけでなく、あなた自身に何らかの問題、原因があるかもしれません。
「いや、自分には思い当たるふしはない」
「理由がない」
と思っても、ここはクールになるのが第一歩。
- 人間関係は一方的なものではなく、お互いに影響を与え合って成り立つもの
- それは上司部下の関係も同じです
「上司に嫌われているかもしれない」というのも、単純に「上司に嫌われてる」「あの上司嫌い」というとらえ方では、物事の1面しか見ていない事にもなりかねません。
上司だけではなく、部下(つまりあなた)にも、もしかしたら何らかの問題、原因があるかも、というところに意識を向けていくと、それが突破口になるかもしれません。
どうして嫌うんだよ、好きになってよ(いや、ちょっと違うか(笑))など、相手に求めるばかりの受け身的な態度ではなく、部下であるあなた自らから積極的に
- 挨拶を「元気に笑顔で」しっかり行う(人間関係の超基本)
- 何かミスをしたときには責任逃れのような言い訳をしない
- 仕事の報告や連絡はしっかり行うし、迷ったりつまずいたら相談も行う(いわゆるホウレンソウ(報・連・相)です)
また普段自分がしている話し方や上司に対する態度、仕事への積極性を見直すなど、自分のこれまでを(特に仕事に対する態度、取り組み方を)振り返り、良い信頼関係を築けるように対策をとる必要があります。
上司は部下に何を求めているのか、ここを考えるのが第一歩。
とるべき対応と対策
ここからは原因と対策になりますが、
上司に問題がありそれを変える、という視点ではなく、「自分だけがそうだ」という場合には、まず自分に何か原因があるのでは、という視点で考えてみること。
相手の行動を変えるにはまず自分から、というところです。
(心理学的に言えば、自己調整、というものになりますね)
第一に原因を考える
話しかけてくれない、目を合わせてくれないなど、まず上司に嫌われていると感じた場合に最初に行うことは、嫌われてしまう原因が自分にあるかどうか、しっかり振り返ってみることです。
相手が上司でであれば、
普段行っている仕事に対しる考えや行動に何か原因はないかをまず考える。
例えば上司の機嫌を損ねる原因の1つに「仕事上のミス」があります。
ただミスをしただけではなく同じミスを何度も繰り返していたり、指示通りに動けてなかったり、ミスがあったとしてすぐ報告したり連絡したりができてなかったり、こうしたことが原因としてあげられます。
「いや、少しぐらい報告が遅れたって大したことがない」などと考えていたら、それは明らかに上司に嫌われます。
仕事は一人で行うものではなく、いろいろなところに波及するもの。
あなたから見て大したことがないように見えても、そのちょっとした遅れが仕事全体のミスや遅れにつながり、結果としてその仕事を任されている上司の大きな責任に跳ね返ることがある、ということはしっかり認識しておく必要がありますね。
このように、普段行っている仕事への態度や考え方から、自分自身を見直してみる。
仕事上のミス以外にも、以下のようなことを何気にしてないか、してないと思っても第三者から見たらそう見えないか、などを考えてみるのも良いですね。
- 何かミスなどがあった場合、責任逃れをしてないか
- 何か行う時に自分の意見を全然言わない、ということはないか
- 逆に、意見を言う時に強引に自分の意見を主張することはないか
- 時間にルーズになってないか
- 無断欠勤したり遅刻が多かったりしないか
- 仕事中おしゃべりが多くないか。手を抜いて仕事をしているように見えてないか
人間関係の基本はどうか?
意外と見過ごしがちとなるのが仕事内容ではなく、挨拶や言葉遣い、服装や態度など、仕事をする上で基本となる部分、マナー不足が原因となっていることがあります。
- 挨拶をそもそもしない
- 挨拶をするにしても形だけのものになっている
- 服装がだらしない、職場にあわない服装
- 上司が何か言っても必ず批判めいた発言をする、
こうしたことがあれば、
上司は勿論、職場の周りの人からも嫌われる原因にもなりますね。
出勤時や帰宅時には大きな声、元気な声、笑顔で挨拶をするのはもちろんのこと、廊下やその他の場所で擦れ違った際にも挨拶をしたり、自分が率先して声をかけるぐらいのことを意識してみましょう。
誤解があれば誤解を解く努力を
いくら考えても、また例えば自分をよく知る同僚などに聞いても「どうしても原因が分からない」という場合には、「上司が何か誤解している」、ということも考えられます。
その場合の対応は、勿論その誤解を解くこと。
これも普段の仕事の現場では中々話しづらいというところでもあるため、
- 1対1で静かに落ち着いて話せる場を設ける
- またはそういったシチュエーションなどがあればその場を利用して、真剣に話をしてみる
ということが解決への第一歩。
そこで「なんだ、誤解してたよ、申し訳ない!」となれば一件落着ですが、そうはならない、どうしようもない、となれば、第三者に相談するなどの対応が必要となります。
(間に人を挟んで双方の言い分を聞いてみるなどですね)
1対1で話す場合の注意点は以下。
- 話す目的を明確にすること
(事前に自分の考えを整理しておくことがポイント) - 自分の気持ちを伝えること
(攻撃的な表現は使わないように注意) - 上司の話を、たとえ「それは誤解だ/間違いだ」と思ってもまずしっかり聞くこと
(相手を尊重し、お互いがお互いの話が理解できるよう、言い合いにならないように注意する) - 冷静に話すこと
(感情的にならず、問題解決に向けて冷静に具体的な話をする)
こうした点に注意して話してみるのが良いですね。
理由がはっきりしない
上司が話しかけない、目を見てくれない、などでは、性格が合わない、生理的に受け付けない、など、理由がはっきりしないことが原因ということもあります。
これは根が深いもので
、上司である相手がそうだとしたら対応は非常に難しく、上司を変えるしかないレベルにもなりそうです。
かりにそうしたことが原因であれば、自分の都合で上司を変えることができないので、
- 配置換えを願い出る
- 転職の道に進む
といった大きな選択も視野に入れることにもなりそうです。
配置替えでは、今の部署が嫌だから、などのマイナスの理由ではなかなか認められない場合が多いと思いますが、他の部署の仕事がしたい、それに向けてのスキルもある(またはスキルを習得中)など、その部署の責任者などと相談するのも1つの手。
実は嫌われているんじゃなかった
原因を確かめることによって、
もしかしたら上司は嫌っているのではなく、
- 上司に嫌われてしまったと勘違いしているだけ、
- 注意の仕方が厳しいだけ
などの可能性もあります。
自分に原因である場合には「素直に反省し行動を変えたり、何か非があれば謝ること」が大切ですが、このことで自分の成長のきっかけになれば、勿論自分自身にも未来に向けて大きなプラスとなり、そのきっかけを与えてくれた上司には感謝の言葉もでてきちゃいますね。
本当に上司が嫌っていた場合には、
自分の非があればそれを素直に認めて謝る態度や姿勢は、上司にとってみれば、ある意味自分を理解してくれた、といった承認欲求が満たされ、
- 「俺のことを分かってくれている」
- 「自分の事をしっかり反省できるやつだ。これは中々できないことだぞ」
と、逆に好感を持たれる結果につながる可能性も出てきます。
こうなると見事歯車が合うという感じですが、
こうした行動は、上司の気持ちに変化をもたらすきっかけにもなりますね。
上司の事、嫌ってませんか?
最後に対人関係についての基本ですが、
- 好意を持ってくれる人には好意的な態度をとる
- 嫌な感情を向けてくる人は嫌いな態度をとる
というのが人というものです。
(心理学的には、相互交流理論、社会的調整理論というものになりそうです)
上司に嫌われている、嫌われているサインが出ている、という場合、実は上司からしてみれば部下から嫌われているサインを受け取って、知らず知らずのうちに態度に出てしまっていた、ということもあるものです。
上司からの嫌われているサインを感じたら、自分は果たしてどうなのか、を振り返り、上司好き好きサインを出してみる、というのも、1つの解決策になるかもしれません。
(”あからさま” や ”わざとらしい” のはダメですよ)
この記事のまとめ
- 上司に嫌われているサイン5レベル
- レベル1)自分にだけ話しかけてくれない、目を合わせてくれない、無愛想
- レベル2)人前で批判されたり怒鳴られる
- レベル3)簡単な仕事、面倒な仕事しか与えられない
- レベル4)任せてくれない、決定権がない
- レベル5)リアクション、フィードバックがない
- 対応と対策
- 第一に原因を考える(仕事上のミスなどの対応)
- 人間関係の基本(挨拶などしっかりできているか、服装はどうか)
- 理由がはっきりしない(配置換え、転職を考える)
- 誤解がある(誤解を解く努力を)
- 実は嫌われていない(自分が勘違いしている場合もある)
- 上司の事を嫌っていた(上司に好意的態度で接する)
自分だけ「話しかけてくれない」とか「目を合わせてくれない」など、上司に嫌われているサインがあり、自分に原因である、非がある、と分かった場合には、それをしっかり受け止めた上で謝罪を交えて話し合いの場を持ったり、そうでなくても、上司の真意について腹を割って話せる機会を設ける、というような対応が必要になりますね。
勿論対策としては、一旦原因がつかめたら、今後同じことを繰り返さないこと。
一時の反省や態度を改める、でもしばらくしたらまた同じことの繰り返し。こうなると「あいつは口ばかり。信用できない」と余計に嫌われることになりますのでご用心。
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