自民党の総裁を決める選挙、いわゆる総裁選。
安倍晋三(今は亡き元首相)の時は大いに盛り上がり、その後も岸田首相時には高市早苗さんなど対抗馬も続々と登場して、大きな盛り上がりにもなりました。
実際総裁選の仕組みはどうなっているか、実はよく分からない。
ここでは日本の今後にとっても非常に重要となる自民党の総裁選について、総裁選の仕組みや地方票の仕組み、総裁選となると聞こえてくる党員、党友とは何か、分かりやすく解説していきます。
総裁選とは
総裁選とは政党の党首を決める選挙。
その政党が与党第一党(自民党)ともなれば、その政党の総裁が首相(総理大臣)となることが普通なことから、日本の首相を決める選挙、とも言えますね。
2021年から2022年以降がどうなるか、自由民主党の総裁選挙の結果によってその行く先もかわっていくことなると思いますが、この総裁選は正に与党第一党の党首を決める選挙であり、
- 実質「日本の首相(総理大臣)を決める選挙」
という、日本の今後を決める非常に重要な選挙となります。
自由民主党の総裁選挙
2023年現在からみて次の自民党の総裁選は「2024年秋ごろ」が想定されてます。
候補者の条件
過去の例を見ると、自由民主党において総裁選に立候補するには、
- 自由民主党に所属する国会議員20名の推薦を受けることが条件
推薦制は1972年の総裁選(田中角栄が選ばれた年)に導入されてますが、20名の国会議員の推薦を受けることが必要です。
2018年9月に行われた自民党総裁選では、当初立候補すると言われていた野田聖子総務相がこの推薦人を20名集められなかったため立候補断念したことを記憶してる方も多そうですが、その後、2021年9月に行われた総裁選では見事立候補となりました。
参考(2018/8/31)
【自民党総裁選】出馬断念の野田聖子総務相 – 産経ニュース
今までもこれからも自民党の総裁選ではまず推薦人20名を集めて誰が立候補することになるかが一番の注目点になりますね。
ちなみにもっとも最近に行われた総裁選は2021年9月。
立候補まで来た方々は、岸田文雄 前政調会長、高市早苗 前総務大臣、河野太郎 規制改革担当大臣、野田聖子 幹事長代行が推薦人20名を集めて立候補の正式表明。
結果はご存じの通り、岸田政権へとの流れに続きます。
総裁選の時期
次の総裁選は、2024年の秋ごろ。
自民党総裁の任期は党則で3年と決められているので、前回2021年9月の総裁選後、何かなければその3年後の2024年の9月ごろに次の総選挙が来ることになりますね。
ちなみに2021年の総裁選では、以下になってました。
- 2021年9月17日:告示(正式に世間に案内すること)
- 2021年9月29日:開票(結果が分かる日)
2024年も大体同じぐらいの記事になると考えられますね。
投票についても見てみると、2021年では以下の2通りとなってます。
- 党員投票(地方票)(党員・党友の投票):2021年9月28日締め切り
- 議員投票(党に所属する国会議員による投票):9月29日の指定された時間内
議員投票が完了した時点で直ちに開票に移りますが、これは2024年も変わらないでしょう。
関連
総裁選「9月17日告示・29日開票」で決定 | ニュース | 自由民主党
ここで党に所属する国会議員の議員投票(議員票)は分かりますが、党員投票(党員、党友)が何かが良く分かりません。
地方票、党員票と呼ばれるものですが、これは以下順を追ってお仕組みを見ていく中で見て行きましょう。
総裁選挙の仕組み
候補者数と総裁の決定
総裁選の投票では以下の2種類があり、
- 議員票(所属国会議員による投票)
- 党員票(地方票)(党員・党友による投票)
総裁選では、これらの票をどれだけ集められるかを争い、最も票を集められた候補者が総裁に選ばれます。
- 1回の投票で過半数の票を占めた者が総裁に選ばれる。
- 1回の投票で過半数を得られた候補者がいない場合には、上位二人の決選投票を行う
1回目の投票は、所属国会議員による議員票、党員・党友の党員票(地方票)をあわせて結果を判断し、それで決まらなければ、2回目の決選投票。
ただし、2回目の決選投票では「議員票」と「各都道府県支部連合会に付与された1票」にて行われます。(各都道府県支部連合会の1票は、上位2名のうち、党員投票得票数の多い者に加算される)
過去で見れば、2012年の総裁選。
1回目では決まらず、2回目の決選投票を上位2位の安倍晋三首相、石破茂・元幹事長とで争ってますね。
結果、安倍政権が誕生し、アベノミクスが動き出すわけですが、その3年後の2015年は立候補が安倍晋三総裁一人だけだったため、そのまま無投票で再選。
そしてその3年後の2018年は再び、安倍晋三総裁と石破茂・元幹事長の因縁の対決となりました。
議員票について
議員票とは、自由民主党に所属する国会議員387名(衆議院議員276名、参議院議員111名(2021年9月5日現在))による投票で、1議員1票。
こちらは分かりやすいですね。
参考)
衆議院:会派名及び会派別所属議員数
参議院:会派別所属議員数
党員票(地方票)について
党員票とは、党員、党友による投票で、地方票とも呼ばれます。
全国の党員・党友の票を都道府県ごとに集計し、ドント方式(得票数を整数で割って大きい順に票を分配する、といった票分配を比例配分する方式)で国会議員数と同数の票(387票)に分配します。
ドント方式については以下参照
総裁選のドント方式とは分かりやすく解説!候補者二人の場合の計算は?
党員、党友の投票権を持つ人がざっくり100万人いるとして、それらが合わせて387票になるとしたら、100万人/約400票で、だいたい「2500人で1票」、というような感覚でしょうか。
地方票の仕組みについては以下でもう少し詳しく見て行きましょう。
地方票の仕組み
地方票は、党員、党友による投票です。
そもそもが党員、党友とは何かが分かりづらいので、そちらから見て行きましょう。
党員とは
党員とは、自民党で言えば以下の条件で募集している人たちで、2018年3月時点で106万人、2020年では113万人ほどとなっているようです。
- 入党資格
- わが党の綱領、主義、政策等に賛同される方
- 満18歳以上で日本国籍を有する方
- 他の政党の党籍を持たない方
- 参考
入党のご案内| 自由民主党
党員は、党の構成員(政党に所属する人)であり、党内の選挙権を持ち、政治活動ができる(被選挙権を持つ)。地域や職場で支部、グループといった地方組織に属するのが普通です。
自民党員数の参考)
自民党員が政権復帰以降で最多に 5万人増の113万人
党友とは
党友とは、党員ではないが、政党の支援者、または政党と友好関係にある個人。具体的には
の会員を指します。
党員と党友の違いは、党員は党の構成員なので義務が発生するが党友には義務がないこと。
ここで言う義務(党員の義務)とは、
- 党則を守ること、
- 選挙においては党の決定した候補者を支持する、
- 党活動への参加、
- 党費を納めること
となり、機構図・党則 | 自由民主党 にある党則によって定められています。
党員・党友の投票資格
以上、党員、党友についてでしたが、党員、党友について選挙の投票資格は以下の通り。
※)2018年時の「総裁選挙の仕組み(概要 2018年版)(pdf)」 から抜粋
- 日本国籍を有する20歳以上
- 党員の場合:前2年の党費を納めた者
- 党友の場合
- 前2年の会費を収めた自由国民会議会員
- 国民政治協会の個人会員、および法人会員の代表者1名
1人1票で投票し、都道府県ごとに集計しドント方式(得票数を整数で割って大きい順に票を分配する、といった票分配の方式)で国会議員数と同数の票を分配することになります。
関連動画:5人の候補者たち(2021)
最後はちょっとおまけ。
2021年の時の候補者情報です。
菅総理“不出馬表明”から一夜・・・混沌の自民党総裁選(2021年9月4日)
2024年の総裁選では、どなたが立候補することになるのか、ちょっとスリリングですよね。
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